そうか。新しいレシピを思いついたぞ。
エスニックラムキムチ
〇材料
・ラム肉(ジンギスカン用)
・白菜キムチ(肉と同じか多いくらい。酸い目。)
・玉ねぎ
・にんにく
・パクチー
・ライムリーフ(あるいはレモンの葉、レモングラス、レモンマートル)
・花椒(ホールは最初、粉は後から炒める)
・塩
・胡椒
・余った香味野菜(パクチーとかセロリとか)
・余った野菜(人参とかゴーヤとか)
〇作り方
想像通りの順番で炒める。
〇特長
豚よりラムのほうが、脂少な目で食べやすいです。野菜は何でも合うけど、キムチより多くなるとキムチ味ではなくなってしまいます。
豚キムチ→ラムでもイケる?→ラムと唐辛子ときたら花椒で火鍋風だ→柑橘系の香りも合いそうだ→ライムリーフにはパクチーも合うな!という連想で考案しました。
甘めのお味噌汁が合うと思います。
掌編小説
いざ、鎌倉。
総選挙を迎えたある国は、遠い昔に廃止された徴兵制の復活議論で盛り上がっていた。長きにわたり平和な時代が続いていたが、その年になると俄かにその国の上空へ暗雲が流れ込んできた。西の隣国では50年ぶりに内戦が再燃。友好関係にある東の隣国は、地球の裏からやってきた某大国の何個あるかもわからない遠征軍団のうちでも最精鋭だという第七遠征軍と睨みあっていた。近いうちに某大国のリーダーは、空母打撃群を派遣し隣国の何かを打撃するつもりらしい。
折しも国防軍では志願者数の低迷による定員割れが問題となっていた。自動化に自動化を重ねて、徹底的に省力化することで能力は維持されていることになっていたが、兵士よりSEが多い仮想国防軍と揶揄されていた(国防軍は兵士とSEを機動戦士と電子指揮官と呼んでいた)。かといって隣国を見捨てれば食糧供給が絶たれて飢え死にだ。
当然の流れとして政治家たちはこの国の未来を若者にゆだねることを思いつき、それに有権者も同調した。選挙の争点は徴兵年齢の設定と、西方重視か東方重視かの二つで、有権者は妙に若者に優しかったり目を合わせなかったりした。
そんな選挙告示前の最後の国会で、首相は有権者の度肝を抜く演説を始めた。
「国民の皆様もお感じの通り、昨今の情勢を鑑みるに、いざ有事の際には、わが国防軍は最善の備えをしているものの、兵力不足であることは認めざるを得ません。残念ながら徴兵制の導入は不可避であります。備えが足りないのは政府の失策であり、お詫び申し上げます。しかし同時に我が国は自由人権思想に基づく民主国家であり、我が国に在住するすべての人に対し苦役は禁止され、職業選択の自由があり、現行の憲法下では徴兵制度は憲法違反の制度であります。この度、与野党で協力し、憲法を改正することに相成りましたが、私は導入にあたって皆さんに問いたい。それは参政権の無い者に、国に対する義務があるのかということであります。申し上げるまでもなく権限と義務は表裏一体であります。
今の我が国を導き、また現在の国情をこまねいてきたのは、我々責任世代であり、責任は我々がとらなければならない。我々は自由貿易により富を築き、それと引き換えに食糧自給を捨てました。単純作業は国外にアウトソーシングし、原料製品を自国で賄うこともできません。今の生活を守るには、もはや我々は戦うしかないところにまで来ております。
今こそ義務を果たすべき時です。先ほども申し上げた通り、義務は権利と表裏一体、振りかざした権利の数だけ義務も重くなります。そこで私は宣言する!これまで数多くの権利を行使し、国の方針を決めてきた年長者から順に徴兵することを!
老人皆兵であります!良心により徴兵を忌避される方には農業や軍需工場、建設作業或いは福祉活動をしていただく。我が国の最新鋭戦車は徹底的なハイテク化によりワンマンかつ思考するだけ操縦が可能で、その操作は往年のマニュアル車よりも遥かに簡単で機会が苦手な方でも全く問題ありません!その上、自車だけでなく3台の僚機ロボット戦車を操作できますので、外国製戦車に比べその労働生産性は16倍にもなります。更に圧倒的な重装甲により抜群の生存能力を持ち、ワンマン化による余剰スペースにより居住性も抜群、ご老体でも無理なく参戦が可能です。
十代後半のお子さんをお持ちのお父様お母さま、ご安心ください!皆さんより先にお子様が死ぬことはありません!皆様には優先的に前線勤務を割り当てます。お子様の学費生活費はすべて政府が保証します。戦時相続税は免除されます。
会社経営者の皆様。皆様は再雇用義務から解放され、リストラし放題、いびつな年齢構成を正し、会社の成長を実現するチャンスです。我々は従軍を促すため、労働規制を大幅に緩和し、雇用の流動性を高めます。
加齢、病気、身体障碍、性別、育児・・・すべて平等に考慮しません。他人の息子や娘に死を命じる前に、自分が死ぬべきでは?
今までこの国を支えてきた年長者への敬意ですか?もちろん敬意を持っております。ただ命には全く値しないという、ただそれだけのことであります。どんな功績があろうとも弱者に死を命じ、殺人の罪を負わせることはできないと思うのです。
もちろん我々議員、明日からは元議員は、最初の一撃を加える、議員特攻隊として戦列に加わる所存です。」
そして総選挙では、大増税と傭兵軍の導入を主張した、新興政党が圧勝した。
本を読んで考えること(82年生まれ、キム・ジヨン)
韓国における女性を取り巻く社会状況についての中編小説。主人公が82年に生まれてからの、子供時代~学生時代~就職~結婚~出産と人生を振り返るなかで、女性であるがゆえに受ける社会の不条理を描いている。
〇感想
程度の差こそあれ、その状況は日本とよく似ている。(これは儒教的な文化背景が共通することが原因ではなく、農業国から工業国へ転換し経済発展による生活・教育水準の上昇という背景が共通していることによる。)
いまだ家事や育児の分担は不公平で、就職差別はあるし、昇進にも差がつくし、セクハラも多い。かつては女に教育はいらないと思われていた。どれもよく知られていることではあるが、小説としてエピソードに乗せられることで実感を持って確認できる。知ってはいるが考えさせられる部分も多く、読みごたえがあった。
それぞれが個別の事象として、問題意識を持ってはいるが、人生の通史として考えることはなかった。いま子育てに悩む当事者であっても、必ずしもすべての事象に悩んだわけではないし、過去のことは忘れるものだ。
一方で想像力を掻き立てるという部分では、こうして感想を書きながら思い起こすとあまりなかったように思う。登場人物の行動や感情に、なんでこんな風に思うのだろうと想像力を働かせるべき要素は一切ないし、伏線もない。人生観もない。そういった点では物足りない。
特に人生観が深く描かれていない点は残念に思った。子供を持ったからと言って、世間とのつながりを失い、職業上の自己実現を諦めなければならないのはおかしい、という当たり前の感情しか描かれていないのだ。キム・ジヨンは一般的女性像というキャラクターではあるが、実際の人間にはそれなりの人生哲学があるのではないだろうか。このキャラクターにとって性差別を乗り越えることが、まるで人生の至上命題のようだ。乗り越えてどんな人生にしたいのか?
〇テーマ(フェミニズム)について思うこと
この作品に反感を覚える人もいるようだ。まるで女性だけがつらい思いをしているような書きぶりだと思う人もいるかもしれないが、そのような主張はどこにも書かれていない。当然のこととして不当に追い込まれている男性はいくらでもいる。ただそれはこの小説のテーマではない。すべての不条理に言及していたら何万ページあっても足りないし、国連の報告でも読めばいい。
あるいは、まるで全責任が男性にあるようだ、やってもいない罪を負わされているようだと思うかもしれない。もちろんすべての男性に罪があるわけではない。やっていないことに対し全く責任はない。そもそも作品のテーマとして罪を問うているわけではない。しかしその責を多くを負うのは男性だろうし、あるいは古い世代の女性(この作品の祖母のような、嫁に家事育児の一切を押し付け、男児を優遇する女性)もだろう。
人は妬む生き物で、誰かが何かを得ると、自分が損した気になる。反感を持つ人たちは何等か満たされていないのだろう。公務員の給与を減らしても自分の給与は上がらないのにもかかわらず、公務員のボーナスが減ると喜ぶのと似ている気がする。
女性という理由で受ける不条理も、男性という理由で受ける不条理も、あるいはほかの不条理も、それぞれ別々かつ同時に解決できるの独立した事象である。
〇日本について
解説によると、韓国では、国民は社会の不条理や政府に対し強く抗議の意思を示していて(というか示さないのは日本と独裁国家の国民くらいか)、実際に女性を取り巻く状況は大きく動いているようだ。人権状況が日本と韓国で逆転してしまう日も来るかもしれないと感じる。
仕事と育児の両立は日本社会の長年のテーマだが、変化は非常に遅く(少なくとも20年=1世代は大して変わっていない気がする。)、何だか人口減少対策のためとか、目的すらすり替わりつつあるような気がしている。
当事者たちは、当事者になるまで何ら関心があるわけでもなく、いざ子供が生まれると慌て、歪んだ社会構造と自らの権利が侵害されていることに気づくのだが、今まで選挙にも行かなかったのに、そのような権利が用意されているはずのないことには気づかない。そして選挙に行く老人の多くが、そんな権利はいらないと思っている。
〇余談
話は脱線するが、子育てママ議員の打ち出す政策が育児・教育・防犯に偏っていることに違和感を覚えている。当事者の声は大事だが、議員とは遍く市民の利益を考える仕事ではないだろうか。考えていないと思っているのではなく、なぜ訴えないのかということである。論点を絞ったほうが当選するからかも知れないが、それで良いのだろうか。
掌編小説
東京の丸の内で八時を回った頃、ある男が、勤務先の入るオフィスビルの一回にあるカフェへ、とぼとぼと入っていった。冷蔵ケースを一瞥して唯一売れ残っていた女性に人気だという野菜サンドー正確にはVegitable sandwichと書かれていたーを30%引きで買い、妙に豪奢なソファに座ってモソモソと食べ始めた。
「女性は今日は食べ残したんだなあ。」
とつぶやいて、男は地球温暖化と食品ロスに思いを馳せた。男がサンドウィッチのレタスをシャクシャクと咀嚼しながら、包装に張られたシールを見ると、パン、マヨネーズ、蛋白加水分解物、粒マスタード、レタス、トマトなどと共に製造者としてビル管理会社の関連企業の名が記されていた。男が暮らす社会は資本主義社会だったのだ。
男は小さく頭を横に振ってから、サンドウィッチの残り半分をテーブルに置いて、徐にサキの短編集を読み始めた。いけ好かない善良な人々は罰せられ、虐げられた淡白でまともな人々は報われた。男は英文学を好んで読む厭味ったらしい人物だったのだ。男はどこまでも厭味なやつで、今も男の癖にオリエンタルウーロン等という名前の付けられたフレーバーティーを飲んでいるし、普段から東京出身だという雰囲気漂わせ隠そうともせず、都会でしか手に入らないような輸入食材を買い、牛丼やラーメンよりも聞いたこともないような外国の料理を好んだ。後に同僚が聞いたこのオリエンタルウーロンなる飲み物について男が述べた感想は、「オリエンタルでない烏龍茶があったら飲んでみたい」だった。
サキの短編を二つほど読み終え、腑抜けが湖の氷が割れて冷たい水底に沈んだところで、男はよろよろと立ち上がり、仕事に戻っていった。この男は仕事が終わるのを待っていた。男の今夜の仕事は"待機"だった。何を待っているのかは男自身にも良く分からなかった。決算でシステムで突合だとは聞いていたが、具体的に何をしているのかは分からなかったし、もはや訊く気にもならなかった。謎のシステム処理が一体今どれほどの進捗なのかも、自分が待機することが何の役に立つのかもわからなかったし、それは男が唯一質問できる相手-待機を指示した女-にしても同じだった。男の暮らす社会は分業制の資本主義社会だった。
男は何も知らなかった。いつ日が沈んだのか、あるいは日中の外気温さえも。もちろん、休日になれば知っていることも幾ばくかはあったが、誰もそれに興味はなかった。
マッチングアプリ用紹介文例(その1)
どんな人に見られたいか:先進的、知的でウィットのある感じ。鼻につく人物であることは隠したい。
ターゲット層:マッチョ嫌い。趣味人。ホンワカ系。アート系。
ダメな層:ギャル系。キラキラ女子系。オラオラ系。商社マン系。マイルドヤンキー。
使う写真:顔写真。手料理。海外旅行先でビーチではないところ。
はじめまして!○○(職業)をしているAtohsです。
休みの日は、ボランティア活動をしたり、読書したり、料理したり、美術館や映画館へ行くことが多いです。(嘘でなければ何かスポーツを書き加えるといい。)長い休みには海外旅行に行きます。去年行ったポルトガルはすごく素敵なところでした。(何か一つはアクティブなことを書く。)
本は小説中心に、モーム、ヴォネガット、ケン・リュウ、村上春樹なんかが好きです。(本当に読んだ作家を書くこと。あまりたくさん書かない。作品単位でも良い。「大家さんと僕」と書くのと「罪と罰」と書くのとでは全然違う印象を与えるので、自分の人となりを表現しつつ、すべらないような作品を選ぶこと。これらの作家を読めば知的というわけではない。)
(男性の場合:)
料理は和食もつくるし、中東料理とかに挑戦するのも楽しいですね。自分では美味しいつもりですが、あれ?美味しいと思っているのはもしかして自分だけなのかなと思うこともあるので、食べてくれる人募集中です。
男性が仕事より料理しているほうが楽しいと思ったり、有給休暇を消化しないのはタダ働きに等しいと考えたり、デート代は割り勘にしたりすること、あるいは原発廃止や難民受け入れとか、そういった悪事に反対の人は相性が良くないかもしれません。
見た目は色白で痩せています。(本当のことを書くこと。)座右の銘は腹八分目で、一分は苺一個分です。コーヒーが好きそうで、ITに強そうな見た目ですが、実際にはお茶が好きで、古いスマホを使っています。ですから、ラグビー選手大好き!って方には合わないと思います。
(女性の場合:)
料理は和食もつくるし、中東料理とかに挑戦するのも楽しいですね。自分では美味しいつもりですが、あれ?美味しいと思っているのはもしかして自分だけなのかなと思うこともあるので、食べてくれる人募集中です。
子供の面倒を父親がみたり、有給休暇を消化しないのはタダ働きに等しいと考えたり、女性がデート代を払ったりすること、あるいは原発廃止や難民受け入れとか、そういった悪事に反対の人は相性が良くないかもしれません。
見た目は色白で痩せています。(本当のことを書くこと。)座右の銘は腹八分目で、一分は苺一個分です。スムージーとSNSが好きそうな見た目ですが、実際にはビールが好きで、古いスマホを使っています。ですから、お洒落大好き!って方には合わないと思います。
メッセージでは人となりは良く分からないと思いますので、よろしければ、早めに会ってお茶でも出来たらと思います。
よろしくお願いします。
(誰もあなたの人生に対し責任は負っていないし、これからも負わないので、自分でよく考えること。括弧書きのない部分は、意図を自分で考えること。)