思い出したエピソード

 電車の中で思い出したこと。

 就職して最初に住んだのは寮母さんのいる社員寮だった。注文すれば朝晩にご飯を作ってくれる。しかしこれが実に美味しくない。水道管が古くて腐っているのか、味噌汁なぞ喰えたものではない。味見してたのだろうか。寮生は皆そう思ってはいたのだが、小柄で可愛らしい寮母のおばちゃんはとてもいい人だし、自信をもって料理をしている彼女に対して改善要求を突き付けるなど、とてもできることではなかった。傷つくにきまっている。

 

 今は自分で料理をしている。おいしい。

 

 結婚式で訳の分からない挨拶をする妄想。

「ご紹介にあずかりましたAtohsです。ご結婚おめでとうございます。さて、なぜ私が選ばれたのか、○○君が何を期待しているのか、考えに考え、その期待に応えようと思いましたが、思いつきませんでした。我々の友情を示すような心温まるエピソードを披露したかったのですが、そのようなエピソードを話すというのは嘘をつくことになります。結局のところ、私のような三文小説家には、人の心を揺さぶる言葉は作れないのです。ということで、有名作家の講演集から剽窃しようと思います。以下略」