料理楽しいっていうだけのお話

 食べるより作る方が楽しいかも知れない。食べるのは出来を確かめ、まだ知らぬ味を取り入れるためかもしれない。

 

 肉を焼くのは楽しい。大きい肉ほど楽しいから、つい安い肉の塊を買ってオーブンで焼いてしまう。でも安いお肉はやっぱり美味しくない。特に牛肉。安い肉を美味しく焼く方法とか色々あるけど、まあ美味しくない。

 柔らかくする方法はある。最近のお気に入りは表面に油を塗ってから100度とかの低温のオーブンでじっくり焼く方法。これは確かに柔らかく、肉汁の流出も少なめ。

 とはいっても安い牛肉から臭みが消えたり、刺しが入るわけではないので、ローストポークがお薦めである。ローストポークはこの季節、ハムの代わりに冷やし中華にも使える。

 


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 「ハムってなんかテンション上がんなくないすか?」

 

 少し違うかもしれないが、これは狩野英孝の名言だと思う。冷やし中華を作る料理動画なのだが、前述の理由でかれはハムを省いて、代わりにお稲荷さん用の煮締めたお揚げを用いるのだ。さらに彼は大根おろしを乗せる。素晴らしい発想力。

 

 こうなるとすぐに中華麺ときゅうりとトマトと大根とを買いたくなるものである。そしてスーパーには様々な食材が売られている。あれもこれも作りたい。実際作ることはできる。チャンスはMAXで一日三回だ。

 絵描きなんかだとそうもいかないのだろう。あれも描きたいこれも描きたいけど一日一枚というわけにもいくまい。料理の場合はそれが出来てしまう。それが出来てしまうがゆえに食べきれない。何日も同じものを食べることになるのです。

 

 私が作る料理はおいしいのか。

 これは難しい質問だ。概ね美味しいとは思っている。最近開発した新レシピは、味付けに沙茶醤とXO醤に梅干しを合わせた肉野菜炒めだ。美味しいと思うが、私以外に食べた者はいないのだから、客観的な評価は謎。

 食べてもらわないと作り甲斐がないのではないかという疑問を持つ方もおられよう。答えはNOだ。売れなくても絵は描き続けるものだし、料理は作り続けるものだ。誰も聞いていないからこそ鼻歌を歌うものだ。