安倍首相は保守ではないと思うのですが

何か誤解されている気がするのですが、保守が伝統を守ることであるならば、安倍首相は保守ではない。行き過ぎた個人主義という発言に代表されるように、彼ははただの国粋主義者もどきだ。既に死んだ思想を復活させることが、歴史や伝統を守ることであろうはずがない。極右ではあるが。

アメリカ寄りの安全保障とか、新自由主義とか、実際には全く伝統とは関係ない基本姿勢は小泉と変わらない点や、奇妙な戦前の家族観の復活や国民の権利制限を目指した憲法草案は、保守的なものではない。妥協と狭隘なひとつ事への拘りの産物。

我が国の伝統とは何か。明治維新以降だけみても、戦前の一時期を除けば一貫して改革し、尊王攘夷から倒幕、開国に変わり、技術文化を取り入れて国際水準を超え、帝国議会を開き普通選挙を導入し、身分を廃し、男女普通選挙を導入し、民主的な方向へ進んできた。それが伝統である。

 

2017年の衆議院選は保守とかリベラルとかではなく、国粋主義個人主義の戦いなのだ。個人の(あえて”個人の”を付ける必要はないのだが。個人以外に人権は持ちえないので。)人権を守るということは、いまや左翼思想ではなく、現代国家の前提です。いったい何処の先進国で人権を制約して国家に奉仕することを国是としているのか。それは民主国家ですらない。なお、個人主義とは利己主義のことでは全くない。自分以外の個人も、自分と同等に認めるのが個人主義

 

本当に保守を考えるのなら、現代の都市社会に合うような地域共同体の改良・機能強化による社会保障とか、そんな感じじゃないのか。代替可能な兵員のようなサラリーマンや非正規従業員の増産ではなくて。